●一体ラック マントラとは何だ？

　・ラック マントラ
　　- 自分と 20m 以内にいるパーティーメンバーの物理クリティカルを 50、魔法クリティカルを 50、
　　　物理クリティカル抵抗を 50、魔法クリティカル抵抗を 50 増加させます。

ラック マントラは 54 レベルで装着する事が出来る 「スティグマ スキル」 で、
天族は 52 レベル，魔族は 53 レベルで遂行するクエストを通じて、スティグマを獲得する事が出来る。

ラック マントラは、スティグマスロット一つ消耗する様になる位、盛り沢山のオプションを持っている。
その大部分がクリティカルに関わるオプションであり、ここでスペルウィングたちが注目するのは、
「魔法クリティカル成功率 50 増加」 だ。
詠唱速度による高い効率が認証されたオプションなのに対し、
魔法クリティカルについては、まだまだ多くの論難が続いている状況だ。

そのせいだろうか？
ダメージに生き、ダメージに死ぬスペルウィングたちは、魔法クリティカルに関わるバフである
「ラック マントラ」 に大きな意味を付与し始めた。
これは結果的にスティグマ スロットをもう少し自由に活用したいチャントウィングたちとの摩擦を催す火種となった。

●スペルウィングの立場

スペルウィングは、パーティーでカースツリー，睡眠スキルなどの群衆制御スキルを利用して、
安全な狩りを進行する様にして、多様な攻撃スキルで短い時間内に大きなダメージを降り注ぐ
爆撃機の様な役目をしている。

スペルウィングのダメージは既に有名だ

こんなスペルウィングたちの最大の悩みは何だろうか？
多様なスキルを使うお陰で一緒に消費する MP の回復方法だ。

もちろん、ポーションや秘薬を使って MP 回復を行えるが、スペルウィングがスキルを詠唱した時、
消耗する MP量を、ただポーションだけで解決するには余りにも力不足である事が現実。
結局は、51 レベルで学ぶ様になる 「マジカル アイス ブレード」 スキルを適切に活用しながら、
MP 管理をしなければならない。

　・ マジカル アイス ブレード
　　- 25m 以内にいるターゲットに 239 の水属性魔法ダメージを与え、
　　　与えたダメージの 50％ 分の MP を吸収します。

マジカル アイス ブレードは説明の通り、スキルを利用して与えたダメージ量の 50％ 位を MP として吸収する。
魔法増幅力 2,600 の状態で 700 ～ 800 位のダメージを持つマジカル アイス ブレード。
1.5倍のクリティカル倍率を持つ他の魔法とは違い、約 3 ～ 4倍のクリティカル倍率を持っており、
クリティカル発生時、2,000以上のダメージを与える事もあり、スペルウィングの MP 管理に必須なスキルだ。

スペルウィングにとって 「ラック マントラ」 はアイコンだけ見ても笑いが出る

問題は、ここで発生する。
他のクラスが見るに 「ラック マントラ」 は些細な差なのだが、急激な MP 消耗に手が余るスペルウィングの立場では、
他の魔法のダメージ上昇と共に付加的に得る事が出来るマジカル アイス ブレードのクリティカルの存在が
大きく付与される事なのだ。

・ルグブルサーバー 魔族 スペルウィングの言い分

「アキュレイト マントラ」 より 「ラック マントラ」 の方がマシです。

スペルウィングのクリティカルの為では無く、他の近接職 4人の為にもアキュよりラックにすべきです。

ラックならクリティカル抵抗が 50 も上がって、クリティカル自体も 50 上がります。

全クラスに手助けになるという事では、アキュよりラックを付けるべきです＾＾

スペルウィングたちは、アビス上層ダンジョンを 3人で攻略する時、
ラック マントラ有無を直接比べてまで、「ラック マントラ」 に対する必要性を叫んでいる。

●チャントウィングの立場

最近パーティープレイでチャントウィングたちに必須と思われている上級スティグマツリーは何か？
言うまでも無く 「スティール ウォール スペル」 を使う事が出来る 「鉄壁ツリー」 だ。

有名な鉄壁ツリー

鉄壁ツリーは多様なマントラとバフ，回復スキルが中心を成していて、
パーティープレイに特化した上級スティグマ ツリーになっている。
特に、「インビンサビリティ マントラ」 と 「スティール ウォール スペル」 は、その卓越な効果で、
チャントウィングをパーティーから抜かす事が出来ない存在とした主力スキルだ。

パーティーマッチウインドウで切なくチャントを求めるパーティーたち

しかし、こんな貴族チャンターたちにも悩みは存在する。
「上級スティグマツリーを装着し終わった時、最後の一つのスロットにどのスティグマを装着するか」 だ。

マントラを直接使うチャンターの立場では、勿論 「ラック マントラ」 を使うのは悪く無いが、
パーティーの全体的な効率で推し量ってみると、「アキュレイト マントラ」 や 「リバイバル アドバイス」 位、
効率は高くないと言う意見を相当数探して見る事が出来た。

・テレマカスサーバー 天族 チャントウィングの言い分

鉄壁ツリーでパシュマンディルに行った時、「ラック マントラ」 を付けたら

「ビクトリー」，「アキュレイト」，「クレバー」 のどれかを諦めなければなりません。



「ビクトリー」，「アキュレイト」の場合、チャント含む4人の近接職が攻撃力 25、または、

一人当たりクリティカル 15 を諦めなければなりません。



「クレバー」 の場合、パーティー員全員が 毎分 MP 320 という回復量を諦めなければなりません。



クリティカル抵抗はローブ職より近接職の方が体感しやすいでしょう。

敵からクリティカルを貰う確率はとても少ないです。



私の場合、ゲームスタイルは最大限不確実性を避けて安全を求めるスタイルなので、

ラックは十分良いスティグマスキルだと思いますが、使用はしないです。

こんなチャントウィングたちの心機をもっと不便にさせる事は、
スペルウィングたちが 「ラック マントラ」 を使わないチャントたちを
「聞き入れの無いユーザー」 として扱っていくと発言した事だ。

これに対立してチャントウィングたちは、「マントラ選択はチャントウィングの権限であり、
スペルウィングが侵犯する領域では無い」 と言う主張を広げて反発している。

●終えて

アイオンの追い求めるジャンルは誰もが分かっている様に、MMORPG だ。
MMORPG は辞書的な意味で、「多人数同時参加型オンラインゲーム」 だ。
頭がズキズキ痛む程に難しい単語だが、結局、人と人が会って楽しむゲームな訳だ。
こんなに多くの人々に会う席で、自分が素敵に見えて、強く見えたいという欲望は、
誰もが持っている当たり前の感情だ。

しかし、単純に高い効率を計算してみて、自分が引き立つ為に他の職業の権利まで侵害する事は、
確かに礼儀正しくない行動だ。
それでも、それに対応して成熟しない姿勢に対処する事も、また眉をひそめる事だ。

過去に比べて今のアイオンは、お互いに疎通も少なくなり、
とてもエゴイスティックで冷情に変化したと言うユーザー達が増えている。
お互いの利得を思わず、他のユーザー達に気配りして、
一緒に苦労してダンジョンを攻略した人同士と情を偲ぶユーザー達が増えているという意味だ。

暖かくて人間味溢れるアイオンの昔の姿を探す最後の課題。
これを解決する事は、その誰でも無いユーザー達自身という事をもう一度思ったら、
充分に過去の楽しさをもう一度感じる事も不可能では無いのではないだろうか。