前述した様に、キスクは設置者の種族オブジェクトに分類されており、他種族の攻撃によって破壊する事が出来る為、
設置場所を慎重に考慮しなければならない。
また、全ての地形に設置出来る訳では無いので、相手種族の目に付かないながらも、
移動動線が楽な設置場所に対する選好度が自ずと高くなっていた。

山登りや、滑空を通じて、一般的には近付きにくい場所に用意されたキスク設置場所は、
口コミで秘密裏に伝わったし、甚だしくは若干人気ある場所は、スピリットウィングキャラクターが常駐して、
一定量のギーナを受けて召還する 「タクシー商売」 が流行った程だ。

願う地域、特に、何時攻撃を受けるか分からない相手種族地域でのキスク設置が重要だという事は紛れもない事実。
しかし、その相手種族が設置したキスクを破壊する行動、所謂、キスクテロを取り囲んだ賛否が熱くなっている。

●キスクテロを取り囲む行き違った主張

先に論難となる部分を指摘すると、全てのキスク破壊が問題になるのでは無い。
密かに知られた天族，魔族のタクシー場所。即ち、大部分のユーザーたちが料金を支払って集まる
幾つかの場所に対するキスクテロを問題視しているのだ。

サーバー掲示板を中心に論難が拡散している。

それならば、この様なキスクテロは、本当にノーマナー行為か？
それとも、ゲームシステムが提供する一つの楽しさ要素だろうか？

キスクテロ行為を責めるユーザーたちの主張は、現在の AION の特性上、まともに戦争を楽しむ為には
先に相手との PvP から来る危険を甘受できるキスク復活が必ず必要であり、
これが約束されればこそ戦争が活性化され、これを通じて PvP の楽しさ要素は勿論、
相手種族処置の様なクエストなど、多様なコンテンツ解決にも良い影響を図れるという言い分だ。

スピリットウィングの召還スキルを利用したタクシーが普遍化しながらも、
お互いに大きなお金を使って設置をする位、お互いに譲歩する事が出来れば、
ゲルクマロスとインギスオンのフィールド PvP を足場にして、
ゲームをもっと面白く、楽しむ事が出来る部分になると言うのだ。

対して、キスクテロをノーマナーとして規定していないユーザーたちの主張は、次の通りだ。

キスクは戦略的な性格を称えた消耗品であり、これを破壊する事で、相手種族の侵入を
遮断する事は過ちでは無いという事。
むしろ、これを破壊するのが PvP 意図に叶う事であり、易しく現われた場所のキスクは砕き、
タクシー場所、及び、特定位置のキスクを壊してはいけないというのは、公平性に当たらないというのだ。

キスク設置は、本来の目的に当たる様に他の場所を探し、再設置するのが正しい使い方であり、
知られた場所に敢えてまた設置して、その場所を保全するという事は、大きな意味では
アビューズに繋がる様に思えるとも語る。

当初からキスク設置の為のタクシー費用や山登り、及び、滑空などの努力は、結局は PK などで
誰かに害を与えるしかないのに、それを 「楽しさ」 という単語で偽装して擁護するのは、
正しい事では無いという主張を起こしている。

相手種族のキスクを見つけたら？

●キスクテロが論難になる理由と方向性

原論的な話をすれば、キスクは破壊可能なオブジェクトで設定されており、
これを破壊する行為自体はゲーム内にあるコンテンツの中の一部だ。
破壊されるのが嫌ならば、体力数値が高い上級キスクを使い、
これを守る方に行かなければならない事が正しい。

しかし、ゲルクマロスとインギスオンは、相手地域に侵入する方のペナルティーが大きく、
キスクの安全も保障出来ない状態であり、 PvP を楽しむには非常に大変なのも事実だ。

本来竜界に天族，魔族が対立する場所が別にあるのだが...

キスクテロは、商店対話やエモーション使用などで相手をちゃかして後ろ指を指される様に、
道徳的な側面で問題がある事は理解出来る。
ただ、シャウトやエモーションを利用した行為が、十分な共感の非難を浴びる事とは違い、
キスクテロ自体は道徳的な側面で見るにお互いに立場が違う為、客観的に眺める事では無い。

キスクテロは個人に加えられる被害と見られる。その為、この被害自体は気分が悪いしかない。
しかし、これをノーマナーとして見なければならないか、ゲームシステムとして認識して、
再設置したり仕返ししたりする、これらをどちらかに断定する事は出来ないのだ。

こんな風な一つの状況で開かれる立場による差が大きい為、
キスクテロに関する状況は、現状では結論を下しにくい。
ただ、現在も竜界を中心とした AION の RvR は活性化したとは言い難い状況であり、
今一度、ユーザーたちのプレイに当たる改善案が必要だという事は明らかな事項だと見える。

歴史の中に消えた 「彼」 のその後にならない様に...

竜界は、モルヘイムの魂の要塞や、インタルディカの暗黒領土の様に、一つの種族が留まれる拠点が存在しない。
今まで時空の亀裂にペナルティーを付加して、相手陣営への侵入、不特定者の被害の量産を排除して来た AION。
シレンテラ回廊を通じて、高レベルユーザー間のフィールド PvP を図る場所を用意しただけに、
これを裏付け出来る発展した RvR システムの必要性が近付いてきているのではないかと考慮してみる。